「死刑執行人の苦悩」

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「死刑執行人の苦悩」    1999年8月
角川文庫
大塚公子
\420

 いまだに、凶悪犯罪のニュースがなくなることはない。犯罪を犯せば処罰されるわけだが、日本では極刑として死刑を行っている。

 賛否両論がある。いわく、地球より思い一つの生命を、国家の名の元に奪うことに、どんな正当性があるのか。いわく、何の咎もなくただ一方的に傷つけられ、殺された被害者のことを考えれば、死刑以外に償う方法があるものか。

 本書は、死刑反対の立場から書かれたものだ。ただ、大上段から反対論を訴えかけるものではない。死刑制度の陰で苦しみ、癒されぬ心の傷を抱えながら生活している、刑務官の苦悩を描き出すことで、死刑制度が抱える矛盾をあぶり出している。

 死刑を行う以上、誰かが死刑囚を殺さなければならない。その実態が、国民の目から遠ざけられてきたことは事実だ。正義の名の元に、私なら殺せるのか。それを自らに問い掛ける機会を与えてくれる。

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